妥 解
2003年のマリナーズを展望する

文章:yosiie
マママママリナーズ

ジェフ・シリーロという男

 2002年はJシリーロにとって最悪のシーズンとなった。かつてはミルウォーキーで3番を打ち、コロラドではヘルトン、ウォーカーと並んでクリーンナップを打ってきた男である。メジャー8年間で通算打率.310を打った男が、A、AAを1年、AAAを1年半でパスしてメジャー入りしたエリートが、今季は.249しか打てないなんて誰が想像しただろうか?

 マイナーMVP投手Dスタークを放出してまで獲得した三塁手ということで周囲の期待はただならぬものがあっただけに、落胆もそれだけ大きかった。さらに本人が悩みこむ性格ということも災いしたし、メディアに言い訳コメントを漏らしたこともシアトル市民の反感を買った。とにかく全てが悪い方向へ流れ、マリナーズの不振の責任を一人で押し付けられていた。

ジェフ・シリーロ メジャー通算成績
チーム 試合 打率 打点 二塁 本塁 出塁率 長打率
94 ミルウォーキー 39 .238 12 9 3 .309 .381
95 ミルウォーキー 125 .277 39 19 9 .371 .442
96 ミルウォーキー 158 .325 83 46 15 .391 .504
97 ミルウォーキー 154 .288 82 46 10 .367 .426
98 ミルウォーキー 156 .321 68 31 14 .402 .445
99 ミルウォーキー 157 .326 88 35 15 .401 .461
00 コロラド 157 .326 115 53 11 .392 .477
01 コロラド 138 .313 83 26 17 .364 .473
02 シアトル 146 .249 54 20 6 .249 .328

 危険要素は少なからずあった。00年、01年は海抜1600メートルにある"打者天国"クアーズフィールドでの成績であることである。海抜1600メートルということはそれだけ気圧が小さく、打球は9%も伸びるといわれている。もちろんそれだけ打球速度も増すということである。さらに空気が非常に乾燥していて、それがボールの飛距離に拍車をかけ、投手も空気が薄いので変化球の曲がりが小さくなってしまう。そんな環境はもろに打撃成績に影響を与え、例えば昨年の打率.350でナリーグ首位打者に輝いたLウォーカーの場合はホームで.406も打っているのに対して、ロードでは.293と並の打者になっている。
 シリーロも例外ではなくその00年、01年ともにホームでは.403、.362とよく打っている反面、ロードでは.239、.266と極端に率が下がっている。つまり今季の不振の原因は今にはじまったことではなく00年から続いているものだった。この点は新打撃コーチとなったLジョンソン(ミルウォーキー時代にコーチをしていた)も言及していて、取り組むべき一番の仕事にシリーロの復活を挙げている。
 アリーグの野球という点でもミルウォーキーは97年までアリーグに所属していたことからも心配ないだろうし、Lジョンソンという理解者を得た。新加入選手という看板もはずされ、プレッシャーも軽減されることだろう。あとは忌まわしき"コロラド病"をいかに克服するか、だ。

 来季こそ"本物の"ジェフ・シリーロがセーフコフィールドでプレーしているのではないだろうか。いやそうでなくてはならない。1年遅かったがマリナーズの新戦力となってくれることに多大なる期待を寄せたい。

<DATE>
月間打率は4月.223 5月.244 6月.298
 7月.176 8月.274 9月.279である

次項 打順論

文中の敬称はすべて省略させてもらいます。